実りの秋に 園長 木室 忠明
水不足を心配された八月から一変、六個の台風が日本列島をかすめ、秋の長雨と低温が続いています。台風による被害にあった地域の方々にお見舞いを申し上げます。田畑や果樹園では収穫の季節を前に大きな打撃を受け、私たちの日々の生活にも影響が及んでいます。野菜の値段が上がり、収穫量も減ってしまいましたので、缶詰やお菓子の原材料に回す量がなく、新製品の発売も見送られたそうです。時間と愛情をかけて育ったものが失われるという悲しみは察するに余りがあります。
日本語には、生産活動を現した言葉を借りて、生き方や振る舞いを示すことが多くあります。『実りの秋』『実るほど頭を垂れる稲穂かな』などです。何事も最後の詰めまで見守ることが大事であるということです。
十月を迎え、運動会の練習も佳境を迎えています。幼児教育では、〈できばえ〉や〈見栄え〉のみを重視するのではありません。一人ひとりがそこまでの練習の積み重ねや集団活動へ参加していくプロセスを大事に見守っていきます。子供たちには一つ一つの行動決定が、【勇気】と【決断】を経験する大きな学習です。できて当たり前とするのではなく、園では一つ一つの活動の達成を丁寧に『褒めて』『認めて』いきます。おうちでもたくさん話題にして褒めてください。