お知らせ

2018.01.10 しらゆりだより

12月のしらゆりだより

 モノを作る楽しみ   園長 木室 忠明
 日本文化が世界中で見直されています。もちろん、東京オリンピックを控えて日本紹介の影響もあります。『鳥獣戯画』のおかしさ、『北斎漫画』精密さは世界中のアニメブームの根源として再評価を受けています。今年は、『北斎ブーム』で<神奈川沖の浪と富士>の版画は印象派以降の西洋絵画やバカラというガラス食器のデザインの大きな変更に影響を与えたとされています。
 版画は分業の世界です。絵師に彫り師、摺師にそれを売る版元が一体となって制作されていきます。特に彫り師と摺師の細やかな手際は、他の文化や国民性にはない日本人ならの芸術性と精神性を示しているでしょう。手先を動かすことは、大変重要な活動です。大脳皮質の運動野でも、手指の占める大きさは顔面や舌などと同じように大きな割合を占めます。私に、運動生理学の教授は「天才を作ろうとすれば赤ちゃんの指先を刺激し続ければよい」と言っていました。
 幼児期は自分のイメージしたことが形にすることを楽しみ始める時期です。また、「チョットのしてみよう」と工夫のでき始める時期です。大人の【できばえ】による評価でなく『何か考えているな』というプロセスや納得を見守ることが大切です。十一月の『親子でモノづくり』の活動はそうしたことを味わえる時間と設定しました。ご家庭でも何かを作り続けてください。

 

 


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